前回はプロのライターになれる可能性について語りました。
ぶっちゃけ、ライターと呼ばれる職に誰でもなれることにウソはない!
なので今回は現在のクラウドソーシング系で請けられるWEB関係の仕事はなぜ単価が安いのかについてご説明したいと思います。
これは単純明快な話なのです。
「供給過多」
「粗製濫造」
ズバリ、これに尽きます!
供給過多なのはメディア(サイト)の数もそうだし、ライターになりたいと思う人の数もそう。
まずWEBメディアの多さ。
紙の媒体と違って本を出すのに出版コードを取ったりする必要がないので、出版社じゃなくても誰でも簡単にサイトを作って情報発信することができます。
だから次々と新しいサイトサービスが立ち上がっては消えていくワケですが、兎にも角にも情報発信の場は出版業界に比べると遥かに多く、起業のハードルも低いために裾野が広い。
そのおかげで昔に比べると、ライターになりたい人が仕事にありつきやすい側面もあります。
昔なら「ライターになりたいけど、やっぱ難しいよね……」と諦めてた人も、今なら「とりあえずやってみよっか」って出来ちゃう環境があるんです。
クラウドソーシングなどは「誰でもお手軽にライターになれる」のを謳っていることもあって、副業としてライターをやってみたいという人がたくさん存在します。
ぶっちゃけネット環境さえあれば自宅で手軽に出来る作業なので、専業主婦の方などもよくやってらっしゃいますよね。
じゃあ最初に言った「粗製濫造って何のこと?」と思われるかもしれません。
誤解を恐れずに言うと、WEB媒体の記事の文章は紙媒体に比べると質が低いことが圧倒的に多いです(断言)。
「なにー、そんなことはないゾ!」ってお怒りになる方もいるかもしれませんが、あくまでWEB全体と紙媒体を比べたアベレージのお話。全部のサイトがそうだと言うわけじゃないので、どうぞ気持ちをお鎮め下さい。
でも、こればかりは紙とWEBの媒体の性質に関わってくる部分でもあり、現状やむを得ないところなのです。
WEBサイトを取り巻く現実
たとえばWEBの場合、速報性を求められる記事が多いですよね。競合するライバルサイトはたくさんありますし、一番最初に世に放たれたニュースがもっともPVを稼ぐことが多い世界ですから。
「とにかく他社に先んじて記事を出したい」というメディアは、必然的に文章のチェックも疎かになりがち。ぶっちゃけ大手新聞系のニュースメディアの記事でも、結構ド派手な誤字を見かけたりします。
紙の媒体、とくに大手の出版社であれば編集者や校閲など「何重もの校正を行うチェック機構」が存在します。紙媒体の場合は一度出版してしまうと修正が大変だからですね。
逆にWEBの記事であれば、一度世に出したあとでも何度でもカンタンに訂正が行えるので、そこまで厳重にチェックすることがありません(すべてがそうとは言いませんが)。
「質よりスピード」
「質よりも物量(数撃ちゃ当たる方式)」
多くのWEBメディアにはこういう傾向があるので、少々質の悪い文章がアチコチで見受けられるんですね。
初心者OKなクラウドソーシング経由で来た文章も担当者がちょこっと手直しするだけで、ほぼそのまま掲載しているサイトも結構多いので、そのクオリティは「推して知るべし」です。
極端な話、そういったサイトでは熟練したライターや作家が書くような流暢で素晴らしい文章なんて求められていないのです。
悲しいことですが……(涙)
それに付随してWEB記事は、一つの記事に掛けるコストが紙に比べると著しく少ない……つまりライターに支払われる原稿料が少ない傾向にあります。
なぜなのか。
多くのWEBサイトは、PV数(読者に読んでもらった数)に応じて広告収入を得るビジネススタイルです(あるいは広告クリック数)。私の知人が関わっている某サイトでは、数万PVを記録した記事1本で得られる収益は3000円にも満たない額だったとか。
当然、全部の記事がそんなに読まれるわけもなく、中にはハズレ記事もあるわけで、平均で考えると当然ライターの原稿料は抑えられてしまう……というカラクリです。
ちょっと長くなったので、次は紙媒体のライターのギャラがなぜ良いのかをご説明したいと思います。